令和2年度問題解説(18) 試験Ⅰ問題2(3)異なる種類の誤用
2021年7月30日(金) 22時20分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この問題は語彙の選択ミスの問題です。おそらくここでは下線部に「一番」ではなく「とても」と入れるとしっくりくる感じの文だと思います。 さて、選択肢を見てみると1だけは 二者を比較している文だということが分かります。そして「とても」を入れてもすわりが悪いですよね。 したがって、1が正解ということになります。何かとの比較を前提とした文かそうでないかという違いで見つめることができれば正解につなげられると思います。
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令和2年度問題解説(17) 試験Ⅰ問題2(2)異なる種類の誤用
2021年7月23日(金) 09時34分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この誤用は動詞と格助詞の関係に問題があるとわかります。この手の誤用は確かに非常に多いです。「参加する」という動詞は他動詞に見えますが目的語は「ニ格」を要求します。選択肢を見ると、 「を」を「に」に変えると問題がなくなるものが3つありますが、2だけはこのように変えても変ですね。「参考にする」とすればいいのですが、格助詞の置く場所が目的語の直後ではありません。したがって2が「仲間外れ」つまり正解となります。 選択肢の特定の部分を何かに変えると仲間外れが見えてくるということはよくありますので、この方法をぜひお試しください。
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令和2年度問題解説(16) 試験Ⅰ問題2(1)異なる種類の誤用
2021年7月22日(木) 09時22分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 問題2は誤用の本質をとらえる能力が問われます。 最初の(1)はいつも発音の問題です。発音の問題は「仮名にする」あるいは「アルファベットにする」ということでとらえられます。「そのへん(sono hen)」が「そのえん(sonoen)」になってしまったわけですから 子音の[h]が脱落していることがわかります。これを他に当てはめてみると1,2,3は同様の誤用です。 一方4は「せんえん(sen-en)」が「せんねん(sen-nen)」に聞こえるわけですから、「せん」の撥音のNが後ろの母音とくっついて発音されていることが問題だとわかります。 ですので仲間外れは4ということになります。
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令和2年度問題解説(15) 試験Ⅰ問題1(15) ダイクシス(直示)
2021年7月6日(火) 00時02分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 直示というのは、「語用論において意味が文脈に依存して初めて決まる語あるいは言語表現。 つまり同じ表現であっても、視点の置き方によって具体的な意味が異なるもの」を指します。「あれ」や「この」などが代表的なもので、その場にいないと具体的に何を指すか判別できないもののことです。 この問題では発話者から見て指示されたものであるものは直示ですが、3番だけは「そこ」が指示しているものが「駅」であることが明らかなのでこれが答えとなります。ちなみにこれは「文脈指示」と言います。 直示の問題でよく出されるのが「来週」と「翌週」です。来週は常に発話時を基準としていますのでこれが直示(ダイクシス)の表現、一方で「翌週」のほうはそれまでの文脈である時点が特定されてその時点から見て次の週をさしますので、これは文脈指示です。 苦手な方は多いのですが、これは慣れればなんともない問題です。ぜひ準備してください。
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令和2年度問題解説(14) 試験Ⅰ問題1(14)
2021年7月1日(木) 14時22分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この問題は比較的簡単な問題です。下線部の「と」を他の表現で置き換えられないかと考えます。今回は「といっしょに」に置き換えてみましょう。そうすると5だけがおかしい、というより別の意味になってしまうことがわかると思います。 「ジョンとポールがけんかをした」というのはジョンVSポールの関係で、二人が相手を攻撃するという関係です。一方で「ジョンといっしょにポールがけんかをした」となると、これはジョンとポールは友軍の関係になってしまい、意味が変わってしまうのです。 他の選択肢は「と」が「といっしょに」になっても意味は変わりません。 というわけで正解は5となります。
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