令和2年度問題解説(20) 試験Ⅰ問題2(5)異なる種類の誤用
2021年8月7日(土) 22時54分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この問題でも各選択肢の「誤用」に対応する「正用」を考えると答えが見えます。まず設問のところの誤用文は「着けば」を「着いたら」にすると正用の文になります。つまり従属節の「ば」を「たら」にしたら正しくなるわけです。そういう発想で見てみると1,2,3は全て「ば」を「たら」にしたら正用の文になりますが、4だけはそうなりませんね。 そもそも、「お金をたくさん持てれば」の部分は「可能形」に接続しています。この点がほかの選択肢と大きく違います。4は「お金を持てれば」を「持てたら」にしても何か変です。正用にするためには「持っていたら」と、「可能」の部分を外し、アスペクトまで変える必要があります。つまりこれが「他と性質の異なる誤用」です。 従って、正解は4となります。
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令和2年度問題解説(19) 試験Ⅰ問題2(4)異なる種類の誤用
2021年8月4日(水) 23時51分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この問題は【 】内の下線部を見ると文末が【面白いだ】となっているので、「面白い」という形容詞の文末表現なのに不必要な「だ」が入っている誤用と分かります。これを「品詞の取り違え」が接続の中で明らかになった例だと考えると、答えが見えてきます。 1は「豊かな」が正しいので品詞の取り違えと考えていいでしょう。2は「丈夫だし」が正しいです。これも品詞の取り違えと考えていいと思います。また、4は「違うのは」が正用です。これは動詞である「違う」ではなく「違い」を形容詞だと思って使っている用法です。これも品詞の取り違えと言っていいでしょう。 3は形容詞「近い」が普通の形容詞のように使われているのですが、「近い」は連体修飾の際に「近くの」になりますのでこれは「品詞の取違え」とは言えません。したがって正解は3番となります。
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