令和2年度問題解説(18) 試験Ⅰ問題2(3)異なる種類の誤用
2021年7月30日(金) 22時20分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この問題は語彙の選択ミスの問題です。おそらくここでは下線部に「一番」ではなく「とても」と入れるとしっくりくる感じの文だと思います。 さて、選択肢を見てみると1だけは 二者を比較している文だということが分かります。そして「とても」を入れてもすわりが悪いですよね。 したがって、1が正解ということになります。何かとの比較を前提とした文かそうでないかという違いで見つめることができれば正解につなげられると思います。
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グローカル人財ネットワークのオープンセミナー
2021年7月29日(木) 21時44分 カテゴリ: 多文化共生
2021年7月24日にわたしが理事を務める一般社団法人グローカル人財ネットワークのオープンセミナーがありました。ここでは一般財団法人ダイバーシティ研究所の田村太郎代表のお話を伺いました。 掻い摘んでお話をすると、現在の外国人受け入れの歪みはこれまでの政策の行き当たりばったりが原因であること、世界各国では外国人労働者の取り込みが進んでいて、日本での人材確保は今後決して容易ではないこと、また地域の日本語教育の現状については課題が多いことをお話しいただきました。 中でも私の心に残った言葉は、今の地域日本語教育は介護保険ができる前の介護とよく似ているという点でした。田村さん曰く、介護保険制度導入前の介護現場は家族労働とボランティアによって成り立っていて、サービスを受ける側はこれらを選択する余地がありませんでした。消費者に選択権がない限り、サービスとしての日本語教育が成長する余地はありません。日本語教育を、プロの職業人が担う産業として育成しなければなりません。それが成り立てば、日本語教育で生きられる人たちが現れてサービスが向上し、外国人が選べる時代がやってきます。介護保険のような制度を日本の地域日本語に導入し、成り立たせる必要がありますというお話でした。 こちらがそのリンク先です。よろしければご覧ください。
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在留外国人統計の最新情報が公開されました。
2021年7月26日(月) 16時22分 カテゴリ: 多文化共生
令和2年12月末現在の日本国内の外国人統計が公開されています。都道府県別、在留資格別、国別、市町村別の数字も見ることができます。 総数からすると半年前と比べて1000人程度の微増といったところです。是非一度ご覧ください。
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令和2年度問題解説(17) 試験Ⅰ問題2(2)異なる種類の誤用
2021年7月23日(金) 09時34分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この誤用は動詞と格助詞の関係に問題があるとわかります。この手の誤用は確かに非常に多いです。「参加する」という動詞は他動詞に見えますが目的語は「ニ格」を要求します。選択肢を見ると、 「を」を「に」に変えると問題がなくなるものが3つありますが、2だけはこのように変えても変ですね。「参考にする」とすればいいのですが、格助詞の置く場所が目的語の直後ではありません。したがって2が「仲間外れ」つまり正解となります。 選択肢の特定の部分を何かに変えると仲間外れが見えてくるということはよくありますので、この方法をぜひお試しください。
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令和2年度問題解説(16) 試験Ⅰ問題2(1)異なる種類の誤用
2021年7月22日(木) 09時22分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 問題2は誤用の本質をとらえる能力が問われます。 最初の(1)はいつも発音の問題です。発音の問題は「仮名にする」あるいは「アルファベットにする」ということでとらえられます。「そのへん(sono hen)」が「そのえん(sonoen)」になってしまったわけですから 子音の[h]が脱落していることがわかります。これを他に当てはめてみると1,2,3は同様の誤用です。 一方4は「せんえん(sen-en)」が「せんねん(sen-nen)」に聞こえるわけですから、「せん」の撥音のNが後ろの母音とくっついて発音されていることが問題だとわかります。 ですので仲間外れは4ということになります。
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グローカル人財ネットワークオープンセミナー&交流会
2021年7月10日(土) 12時31分 カテゴリ: 多文化共生
ショートノーティスで恐縮です。広島で代表近藤が理事を務める、(一社)グローカル人財ネットワークのオープンセミナーが開催されますのでご案内いたします。 この団体はいろいろな形で起業を目指す外国人(元)留学生の皆さんを支援する事業を行っております。今回は一般財団法人ダイバーシティ研究所の田村太郎代表をゲストにお招きし、「これからの地域社会と日本語」というテーマでオープンセミナーを行います。 よろしければどうぞご参加ください。 人権尊重外国人多文化共生継承語
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令和2年度問題解説(15) 試験Ⅰ問題1(15) ダイクシス(直示)
2021年7月6日(火) 00時02分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 直示というのは、「語用論において意味が文脈に依存して初めて決まる語あるいは言語表現。 つまり同じ表現であっても、視点の置き方によって具体的な意味が異なるもの」を指します。「あれ」や「この」などが代表的なもので、その場にいないと具体的に何を指すか判別できないもののことです。 この問題では発話者から見て指示されたものであるものは直示ですが、3番だけは「そこ」が指示しているものが「駅」であることが明らかなのでこれが答えとなります。ちなみにこれは「文脈指示」と言います。 直示の問題でよく出されるのが「来週」と「翌週」です。来週は常に発話時を基準としていますのでこれが直示(ダイクシス)の表現、一方で「翌週」のほうはそれまでの文脈である時点が特定されてその時点から見て次の週をさしますので、これは文脈指示です。 苦手な方は多いのですが、これは慣れればなんともない問題です。ぜひ準備してください。
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令和2年度問題解説(14) 試験Ⅰ問題1(14)
2021年7月1日(木) 14時22分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この問題は比較的簡単な問題です。下線部の「と」を他の表現で置き換えられないかと考えます。今回は「といっしょに」に置き換えてみましょう。そうすると5だけがおかしい、というより別の意味になってしまうことがわかると思います。 「ジョンとポールがけんかをした」というのはジョンVSポールの関係で、二人が相手を攻撃するという関係です。一方で「ジョンといっしょにポールがけんかをした」となると、これはジョンとポールは友軍の関係になってしまい、意味が変わってしまうのです。 他の選択肢は「と」が「といっしょに」になっても意味は変わりません。 というわけで正解は5となります。
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