令和3年度問題の解説 試験Ⅰ 問題1(11)
2021年12月7日(火) 15時03分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
これも基本的な問題と考えていいと思います。 【「ような」の用法】と書いてあります。この手のものは複数の用法のうち、用法の違いのあるものを選ぶという基本的なパタンの問題です。 さて、 「N1ようなN2」を考えてみたときに、2種類の用法を思い浮かべることができるでしょうか。これが試験官が問っている問題の本質です。これは、通常「比況」と「例示」と呼ばれます。前者は「N1によく似たN2」という意味使われるのに対し、後者はN1がN2の例として使われます。この二つの用法を弁別する方法はいくつかありますが、「AのようなB」という形にしたときに、「AはBです」という文が同時に成り立つかどうかで考えてみてください。同時に成り立つなら例示ですし、成り立たないなら比況です。 1 「ライオンは肉食動物です。」⇒○ 2 「コロッケは洋食料理です。」⇒○ 3 「高級牛肉は大豆ミートです。」⇒× 4 「ジョギングは有酸素運動です。」⇒○ 5 「東京は大都市です。」⇒○ 以上を考えると3だけが×(つまり比況)で、他は○(つまり例示)だということになり、答えは3となります。 文法の違いを把握するのが苦手というかたも、多くいらっしゃると思いますが、日本人が疑問に思うことは当然学習者も疑問に思います。学習者の誤用や誤解が見られるときは、用法の違いを分かるように教えないといけません。その時のためにも常日頃から文法的な用語の整理と、その表現の特徴を整理しておくといいと思います。 (この解説は令和3年度試験受験者の皆さんのために書いております。そうでない皆様には、悪しからずご理解をお願いいたします。)文法
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