令和2年度問題解説(5) 試験Ⅰ問題1(5)
2021年5月26日(水) 23時47分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 今回はちょっとした「難問」です。【 】の中には「漢音と唐音」と出ていますから、きちんと両者が弁別できればそれほど難しくないはずです。しかも、「唐音」の方はそもそもそれほどサンプルが多くはなく、この中で2番が唐音だと弁別するのはそれほど難しくありません。 ところが、「呉音」まで視野に入れてしまうと途端に難問になってしまいます。つまり、設問の「唐音と漢音」の意味を「漢音か、唐音か」という二者択一の意味ではなく、「漢音+唐音のグループか、それ以外(つまり呉音)か」という意味で深読みしてしまうと、はたと迷ってしまいます。 呉音で読む語彙は主として仏教関係の語彙が多く、力は「リキ」、下は「ゲ」、文は「モン」、期は「ゴ」と読むのです。ここまでしっかり思い出せれば「漢音と唐音」の意味が「漢音か、唐音か」という二者択一の意味だということが分かって、正解が選べます。 実は過去5年で、漢字の音読みの種類については、日本への伝来時期を古い順に並べる問題しか出てきていませんでした。この問題は新しい種類のものですから注目するべきだと思います。これは何年かおきに出てくるかもしれません。 下記は呉音・漢音・唐音を解説した動画です。よろしければどうぞご覧ください。 令和2年漢字
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