令和3年度問題の解説 試験Ⅰ 問題3A(4)
2022年5月9日(月) 15時53分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
(4)統語関係と範列関係 語と語の修飾・被修飾の関係は統語構造と呼ばれます。 統語と言うのはいわゆる語順のことだと思ってください。語順は入れ替えることが難しいですよね。もちろん日本語は格助詞があるおかげで孤立語の中国語に比べれば語順は比較的自由ですが、「食べさせられた」の成分の「食べる(動詞)」「させる(使役の助動詞)」「られる(受身の助動詞)」「た(過去の助詞)」の順番は入れ替えることができません。このような置き換えがたい語順のことを統語関係と言います。 一方で「パンを食べる」の「パン」は「リンゴ」にも「バナナ」にも置き換えられます。このように自在に置き換えられる成分同士の関係を範列関係と言います。 比較的伝えたい情報そのものはフォーカス(「情報の焦点」の意味)と言います。プロミネンスは音声上の「卓立(たくりつ:取り立て)」です。この問題の文脈上では「フォーカス」のほうがしっくりくることが分かると思います。 というわけで正解は2となります。 (この解説は令和3年度試験受験者の皆さんのために書いております。そうでない皆様には、悪しからずご理解をお願いいたします。)令和3年度問題音声
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