みなさん、公認日本語教師の法制化に向けたパブリックコメントが出されています。このパブコメの位置づけは行政手続法で定められた「意見公募手続」ではなく、「任意意見調査」という行政指導の一環で行われていることもあり、通常のパブコメより短い期間(30日未満)で行われています。(この場合法律の根拠も必要ありません。)
しかし、この内容を見てみると、これまでほとんど論じられてこなかった点で、現職の皆さんにとって、かなりの不安を呼び覚ますに十分なものです。
これを見てみると、これまでこの業界で「有資格者」とみなされてきた①4年制大学の日本語教育専攻かつ卒業者、②4年制大学の日本語教育副専攻の卒業者、③大卒かつ420時間のコース修了者、④日本語教育能力検定試験合格者の新資格への移行について十分な言及がなされていません。むしろ「再度資格を取りなおせ」と言っているようにすら読めます。原文は以下のとおりです。
10.現職日本語教師等※4の資格取得方法
公認日本語教師の資格は、日本語教師の資格制度を整えることにより、優れた日本語教師を養成・確保して、我が国の日本語教育の質を向上させることを目的に創設されることを踏まえ、「日本語教育機関の告示基準」第1条第1項第 13 号の教員要件を満たす現職日本語教師等が公認日本語教師の資格取得を希望する場合、原則として筆記試験合格及び教育実習履修・修了の要件を満たした上で公
認日本語教師の資格を取得することとする。
ただし、質が担保されている機関で一定年数以上働く等、教育の現場における
実践的な資質・能力が担保される者に関しては、教育実習の免除などの配慮を検
討する。(実践的な資質・能力の確認方法については慎重に検討を行う。)
最悪の場合、現在有資格者とされているすべての人が筆記試験と教育実習の履修を義務付けられるということになりかねません。
そこで皆さんにお願いです。この問題について現職日本語教師の方で、不安をお感じの方は、ぜひこのパブコメに皆さんの不安の内容を回答していただきたいのです。
私は次のように書くつもりです。
法の条文においては、「現行の有資格者とされるもののうち、一定の日本語教師としての勤務経験のある人には、無条件、または移行のために十分な移行期間を設けたうえで、簡易・低価格な研修を義務付けることで『公認日本語教師』の資格を付与する」と明記するべきである。
パブコメのサイトは
こちらです。締め切りは9月17日です。
できるだけ多くの方が参加すると、政府も無視できなくなります。民主的な国に生きる私たちの権利ですから、ぜひ無駄にしないでください。
また、現状日本語教育に関係のない方も、よろしければご協力ください。
近藤正憲
文部科学省日本語教師資格法律