令和2年度問題解説(12) 試験Ⅰ 問題1 (12)
2021年6月24日(木) 22時17分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 この問題は難問の部類にはいる問題だと思います。 「ば」を使った条件節の分類ですが、他の表現に置き換えるというような方法では解けないですね。かなり学術的な知識がないと解けないと思います。 この条件が意味としてどんな違いがあるかを考えると、1だけは「ほったらかしにしておいても時間さえ立てば確実に訪れる未来」であるのに対して、他は仮定的な未来、つまり、「誰かが何かしない限り出現しない未来」とみることができます。したがって1が答えです。 ちなみに法律関係の基本的な知識のある方なら解けたかもしれません。これはちょうど民法における「期限」と「条件」の違いに当たるからです。(法律の用語では「何月何日」とか「Aさんが死亡する時点」は「期限」に当たり、「もしAが司法試験に合格したら」というのは「条件」に当たります。) 使用される言語形式が異なるなら、このような条件の性質に差異を見出すことは大切かもしれませんが、この問いの場合、どの選択肢も正用の文で、同じ形式「ば」を用いた文です。実務家である日本語教師の資格試験において、ここまで問うのが妥当なのでしょうか。不必要な難問、悪問であるというのが私の意見です。 このような問題がでたら、とりあえずどこかに丸を付けて先に進んでください。いつまでも悩むのは最悪の結果につながります。 それでは。 文法
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