令和2年度問題解説(3) 試験Ⅰ問題1(3)
2021年5月20日(木) 20時25分 カテゴリ: 日本語教育能力検定試験
問題は凡人社刊の冊子をご覧ください。 アクセント型による弁別の問題です。これは近年比較的よく出てくる問題です。 いわゆる共通語ないし標準語では牡蠣と柿、箸と橋、秋と飽き、意志と石はそれぞれアクセントの上の区別がありますが、風と風邪では違いがありません。というわけで正解は5番です。 難易度からすると、東京アクセントがよくわかる方にとっては簡単至極な問題ですが、ほかの方々(特に非母語話者の皆さん、無アクセント地域の皆さん)には難しい問題だと思います。 20年ほど前、海外で日本語を教えていた時、先輩にあたる方(京都出身)が教科書を見ながら、「あれ、このことばのアクセントはどうだったっけ?」と、いちいちアクセント辞典を引いていたことを思い出します。この当時は地域方言の強い方はこのような苦労をされていました。それと比べればいまはネット上でアクセントは簡単に調べられるので、ずいぶん楽になったように思います。 今回の設問で出された単語は中級レベル以上であれば出てきておかしくない言葉ばかりなので、語彙面で難問とまでは言えません。アクセントまで気を付けて準備しているかどうかが正誤の分かれ道となったのではないかと思います。 令和2年日本語教師資格試験対策
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