ラマダンについて
2021年4月13日(火) 22時34分 カテゴリ: 多文化共生
本日は今年のラマダンの始まりです。世界のイスラム教徒はこれから30日の「断食」を行います。断食はイスラム教徒にとって非常に重要な宗教的な行為です。今日はちょっとこのお話をさせていただきます。 イスラム教徒は彼らがラマダン(私がいたイランではラマザンと呼んでいました)と呼ぶ月1か月間、日の出から日没まで食も水も断って過ごします。ラマダンとは月の名称であって断食の行為そのものではありません。イスラム教徒は太陰暦を用いるので、太陽暦を用いる私たちの世界から見ると、この断食月は毎年10日程度、前年より早くなっていきます。ですから、年によって真夏の時もあれば真冬の時もあります。 厳しい人は自分の唾液も飲まないそうです。一方で病気の人や子ども、妊産婦、老人、旅行中の人は断食をしなくてもいいそうです。 イスラム教徒は日暮れとともに食事をとります。家族や友人たちと待ち焦がれた食事をとります。このときの連帯感、幸福感がおそらくこの断食月の美しい記憶として世代を超えて引き継がれているのだと思います。 日本人の中には、この断食を「不条理な苦行」ととらえる向きが多いかもしれませんが、それは大きな誤解です。イスラム教徒の多くはこれを喜んでしています。世界中のイスラム教徒との団結を感じられる「合宿」みたいなものととらえると日本人には理解しやすいかもしれません。 イスラム教徒ではない日本人が彼らの断食に付き合う必要もありませんが、邪魔は絶対しないようにしましょう。くれぐれも、彼らに「誰も見てないし俺も気にしないから好きなだけ食べてね」とかは決して言わないでください。 外国の文化
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