日本語教育と人権尊重の考え
2021年4月10日(土) 22時00分 カテゴリ: 授業準備
私が教えている教育機関ではもう何年も前に作られた教材や、テスト問題を使っています。以前の経験ですが、その中に「山田さんはよく気が付くし、料理も好きだそうだから結婚相手( )最高だよね。」(確かこんな文だった)なんてのがあって、この( )の中に、4つの選択肢から一つ選ぶというタイプの問題がありました。これを見た学生(もちろん外国人)から、「Sexist!(性差別主義的)」と言われたことがあります。 おそらくこの問題を作った人に悪気はなく、差別的なことを書いたつもりはなかったのでしょうが、今の感覚からすると確かにアウトです。 日本語教師は外国人の文化と日本人の文化の境目にいる職業です。これから日本語教師になりたいという方々には、文法や言語学や心理学よりも、このような人権の尊重という考え方をご自身の中で深めていただいて、学習者にとってより良い教材を作っていただきたいと思います。 また、日本語教育能力検定試験の過去問を見ていても近年「過度なカテゴリー化」などという、差別や人権の問題について考えさせるような設問も出されています。受験生としても気にしておく必要があると思います。 もっとも、恥ずかしながら私自身この手のことに気が付くようになった(というより、気を付けるようになった)のは最近のことです。自分への戒めとして今回はここに書いておきたいと思います。 参考までに下記は平成30年度の過去問解説のサンプルですが、この中に「過度なカテゴリー化」についての解説があります。よろしければご覧ください。 人権尊重多文化共生
|